説明について、登攀の例で。
あるコンベで、マスターへ次のような質問がされました。
「本日プレイされるゲームで、どのように判定するか教えてください。
高さ8メートルの壁を超えるには、どのようになりますか?」
記憶が正確ではないですが、大意としてこうです。
私自身、コンベでこの質問を聞いた事がありますし、何かの話の引用で聞いたことがあります。
これはコンベの(主催から)マスターへの質問として大変優れた内容です。
ゲームのルール処理、その説明。
これはプレイ内で必ず出てきます。
この質問への答え方で、マスタリングの巧拙、方針、態度、そういったものが如実に現れるからです。
私は、
「大型(2マス)の人が
間合いの長い武器(2マス)もって、
その上に立ってもらえば(自分1マス+攻撃の届く隣のマス = 2マス)、
(6マスは9メートルだから)
8mのカベに手が届くんじゃないか?」
あるいは、
「《仲間投げ》で解決じゃね?」
などと考えたのですが、コレはダメな例ですね。
解決方法を考えるのはケッコウですが、説明になってない。
手段のために目的を忘れていますね。
引用で話をした人は「『まず壁の材質を聞かないと難易度が出せない』と言って、引かれてしまった」と失敗談を語ったのかな? これも記憶が曖昧だ。
同じ事を言うにしても、
「〈登攀〉のスキル判定をします。難易度は表で決まります」と答えれば、ごく何でもないオチになったでしょう。
その日のプレイでプレロールドを使うなら、そのプレロールドならどうすればいいかを答えるのも、プレイヤーの視点に立った回答となるでしょう。
まとまり無くつらつら書いているのでアレだなぁ。
ええと、D&Dの場合、大抵の物事に解決手段が複数ある上に、その手続き(ルール処理)も(検索面で)面倒なため、
マスター側はまず
「どの手段を選びますか?」と聞かねばならず、
選んだら、
「では、処理はこのようになります」と説明するのがブナンな流れになります
。
なぜって、複数の手段があるから、下手な説明は誘導になってしまうからです。
全部説明する時間は、たぶんありませんしね。
※ 注意。上記は典型的なD&D脳での回答です。
コンベでのマスターであれば、効率の良い方からいくつかの手段を伝えるべきです。
なにしろコンベではシステム初見の人が多いですから、探したり考えたりする部分を楽しむ時間はありません。
D&Dゲーマーに多い、膨大なデータから最適解やオレ流解を探し出す、知的パズルを楽しむような方針は、コンベ向けではないのです。
***
と、1行前にいいつつ、思いつくだけ挙げてみよう。
・飛行系。フライ、スイフトフライなど。それぞれ巻物やポーション。
レヴィテート呪文。
サイオニクスにも類似のパワーあり。
9LVあれば《風の跳躍》(温存魔力特技)で飛べる。
・跳躍系。……スリクリンでもちょっと無理。
と言うか、できるレベルなら魔法とかが安いからそっちで解決。
・特殊歩行系。スパイダークライム呪文。ウォーロックの1LV能力でスパイダークライム。技能の離れ業で2回移動(9LV必要だけど)。
・テレポート系。ディメンジョン・ホップは術者LVの面で難しい。
ディメンジョン・ドア、テレポート。って、もっと低いレベルの呪文で解決しろって。
・登攀。フツーに登る。難易度は壁の状態による。
スキル上昇系でブースト可能。
アダマンタイトのダガーなどがあれば、手がかりを作れて楽。
・登攀。ロープと引っ掛け鉤を投げて、引っかかったらロープを登る。
ロープには結び目があると難易度が下がる。
・《仲間投げ》で投げる。上記の通り。
・ダークウェイ呪文で坂道を作る
・スモーク・ステップ。確か煙を登る魔法。
たぶん無頼か冒険者。
・なんかイラストつきのはしご作る呪文
たぶん無頼か冒険者。でなけりゃ宿命かPHB2?
・サモンで飛行か登攀の速度を持つ連中を呼び出し、ロープをかけてきてもらう。その後は〈登攀〉スキル。
・サモンして上へやり、入れ替え系で場所交代。
ちょっと術者LV高い?
・崖でなく壁なら、アダマン武器で破壊する。
音は、サイレンスでも何でも手はある。
壁の上に登るのが目的なら…… ナナメに削るか?(笑)
・テレキネシス。誰か持ち上げるか?
・変身系。ポリモーフして、飛ぶ/登攀 速度持ちに化ける。
FRには羽エルフもいるので、2LVのアルターセルフでも飛べる?
・アップドラフト呪文。上昇気流で飛ぶ。ジョワッ!
***
飽きてきたし、疲れたからヤメ。
〈登攀〉スキル以外の案は、魔法だと、概ね3LVから現実的になる?
2LV呪文はキャラLV2で巻物使用に失敗しなくなるから、スキルで登攀するのは、ほぼ、1LVだけなんだよね。
高い距離を登ると、落ちたとき死ぬからDMだって避ける。だからほとんど無いんだよなー。
落ちる方は、フェザーフォールで解決なんだけどね。
テキトーに思いつくまま書いてこれだけの手段があったから、プレイヤ4〜5名が考えればこの倍くらいのアイデアが出るだろう。
アイデアを成功に導く手段は、更に多く出るだろう。
こうなると、実際コンベでプレイヤーを前に説明するにはどうしたらいいだろうか?
「〈登攀〉スキルで登ります。4〜6回成功すれば8mを登りきります。
成功率は、今回のサンプルキャラでは、20面を振ってxx以上くらいです。
筋力の高いファイタが登り、他の人はロープで引き上げると効率が良いでしょう。
鎧を脱ぐなどすれば成功率は上がります。
魔法を上手く使えば、判定無しで登ることも可能です」
この内容で押えておきたいのは次の通り。
・判定方法を最初に挙げる。
まずは、質問に答えましょう。
・必要な手番(リソース消費量)を挙げる。
長くかかるのか、短くて済むのか、見通しを立てられるようにします。
・誰が行うか、メイン行為者を知らせる。
PC選択に関わります。
全員で参加できるかもしれないし、得意なクラスがあるのかも知れません。
D&Dだとファイタですが、レンジャーやローグが登攀の得意なゲームだって多いでしょう?
行為者を知らせるのも重要です。
・具体的な成功率も挙げましょう。
すぐに具体的な数値が出せると言うのは、見ているプレイヤの信用度があがります。
・ある程度効率の良い方法を伝えてしまう。
上にも書きましたが、コンベなんだから、さっさと答えを教える必要があります。
魔法を使うなら、ファイタが他のキャラを手荷物にして飛ぶのが速いでしょう。
・工夫の余地があることも伝えましょう。
鎧を脱ぐ。ロープに結び目を作る。登攀道具を使う。手がかりを作る。
ところで、実際にはこんなに沢山の 『工夫』 ができますが、この場で全部言うのは逆効果です。
短い内容でまとめて伝える技量も見せないとです。
物事を早く成し遂げればその分時間が有効に使える遅い事なら誰でも出来る!20年かければ馬鹿でも傑作小説が書ける!有能なのは月刊漫画家より週刊漫画家!週刊よりも日刊ってわけだ!つまり速さこそ有能なのだ!文化の基本法則ぅ!たとえばマスタ紹介!上手なプレイヤを招く際には先手必勝即断即決昼夜兼行疾風迅雷で挑まなくてはならないそうでなくてはせっかくのプレイのチャンスを不意にしてしまうからだ!不成立に怖気づいて二の足を踏むなど無駄無駄無駄の一言!マスタ紹介には速さが第一条件なのは絶対の法則ぅぅぅ!
と、どっかのクーガーさんも言っています。
たぶんね。
説明が長いと聞く気にならないことは、上の例でもわかってもらえたでしょう。
速くても長すぎたらダメっちゅーことやね。
あー、まぁ、色々書いたけど、コンベのマスタ紹介だけじゃなくて、単にプレイヤーから質問された時だって、短くまとめて答えられたほうが良い。
技術面だけなら、上手い下手は確実にあるし、説明もできる。
上手くて損は無い。そのために、ツラツラ考えるわけやね。
〈解錠〉とワナの作動について。
ワナの作動についてなんだけど、ご意見募集な感じ。
ワナって、どうなったら作動すると思います?
正規のカギで開けても作動する?
その場合、カギ開けと別にワナ解除の動作も必要だよね。
ノックの魔法で開けたら、ワナは作動する?
〈解錠〉スキルで開けたら、ワナは作動する?
DMGを見直したら、ワナの回避に関して記述がありました。
ワナを作動させずに、一時停止させて、本来のユーザが無事に通り抜けることを想定したルール記述です。
なんつーか、抜かりないっつーか、こまけーなぁ。
錠前式と隠しスイッチ式みたい。
じゃぁ、このワナ回避の仕組みが無い場合、例えば正規のカギでドアを開けてもワナが作動するの?
ん? 逆か?
無いと作動するんじゃ、正規のカギで開けても100%作動だから、正規のユーザも100%ワナにかかってしまう。
じゃぁやっぱ問題の焦点は、
ノックの使用や〈解錠〉スキルの成功を、
正規の鍵の使用とみなすかどうかだ。
先のワナ回避の仕掛けを踏まえたうえで、
皆さんはどう思います?
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しかしアレです。
『舞台裏』コラムだと、知的クリーチャーは自分が毎日使う場所にワナ仕掛けないとか書いてますが、シナリオじゃそんなワナばっかりだよ。