今回から本編開始。ネタばれそのものなのでうかつに読まないように。
 なお登場人物はノングッドどころかイビルよりのCNなので口調が汚いです。


001
 
( )カッコ内はキャラクタの言動ではなく、訳語やゲームルールなどのな補足です。
 
 
 入場前に荷物を確認された。
 ポーションは、透明化が2つと飛行と壁歩き。武器防具はウイップが4つとウイップダガーが2つ、銀のダガーウォーハンマーミスリルチェインシャツにアーマースパイク、そして追加の手甲。
 魔法の装備はほとんどフリーパスでOKが出た。感知魔法で反応があったものは右から左でOKだったので、これなら誤魔化せたなと反省。ニストゥルズ・マジックオーラ(魔法反応を与えるだけの魔法)をかけて一般アイテムを魔法の品だといって持ち込めたのに。
 普通の荷物としては食い物と酒と水。酒も食料として認められた。
 他には… ああ、もちろん財布も認められた。
 
 控え室を出る時にカギを渡された。迷宮の入り口に各自の名前がついた箱があり、その箱を開けるための物だそうだ。
 さぁ、入場だ。この時点でブースト呪文を掛けてから一時間経っている。あと二時間で終わらせねば。
 
 迷宮の入り口から先は直ぐT字路になっていて、先が見えなくなっている。言われたとおり入り口近くにテーブルがあり、その上に6つの箱があった。それらのいくつかは開いていた。
 カギを使って箱を開けると、金貨が二枚と紙切れが入っていた。ちなみに箱は固定されていて持ち出せない。ふん、何が役立つかわからんのに持ち出せないとはな。
 紙切れには次のように書いてあった。
 
「その調子だ。少なくとも、ささやかな手助けの品に立ち止まって手をのばすだけの思慮は持ち合わせているというわけだな。余が教えてやれるのは、いくつかのアイテムを探し当てねばならぬということ。それらの助けなくして、死のワナの地下迷宮の出口にたどり着けるなどと考えてはならぬ。
 最後に、唯一の脱出方法についてヒントを教えてつかわす
――友めをほうきせよ」
 
訳注:原書では get no mess (くだらない物は放って置け)です。
 
 知るか、友もいなけりゃ下らねー物も持ってねー。つーか持ち込み禁止してるじゃねーか。
 なぜか知らないが俺は最後に入場することになっていたので、最初に入ったやつとは数分の差がある。ふん、これがどう影響するのやら。
 
 T字路の突き当りまで来ると、壁に西向き(左向き)の矢印が書いてある。足元を見れば、多くの足跡が西に向かい、恐らく一つだけが東(右向き)へ続いている。
 右を見れば、なんとも形容しがたいカタマリが通路をふさいでいる。上は開いているが正体不明だ(知識技能は未修得不可なので判別不能)。
 左を見ると、10フィート先で北(正面)へ続く通路があり、西方向はかなり先まで続いている。っと、途中に何かありそうだ。目を凝らすと(視認出目10を行うと)… 人の頭ほどの大きさの鐘がつるされている。
 ここまでに鐘が鳴ったような音は聞いていないから(聞き耳判定を要求されていない)、多分誰も触っていないのだろう。
 後ろで入り口を閉ざしたような気配もなし。ここはまだ安全なようだから確認しておくか。
 毒探知と魔法感知の魔法のワンドを使ったところ、謎のカタマリは毒があり魔法はない。鐘は毒はないが魔法はある。
 ここでちょっとした問題に気づいた。西の通路の先が (わずかだが) 見えない。話によると迷宮内部は明かりがついていて普通に見えるということだったのに、明かりはまばらに灯されていて、俺のようなドワーフややせ過ぎのエルフどもならともかく、人間だったら見えないハズだ。
 ふん。とりあえず西向きだな。毒と分かって近寄るバカはいない。しかし壁の矢印は誰が書いたんだかな。チョークは持ち込めないから主催者側か。
 北向きのT字路で念のため耳を澄ます。特に音はしないので覗いてみると、少し先に革鎧を着た男がたっていた。くそ、静かに突っ立っていたから物音など聞こえやしない。
 
 今日はここまで。