マスターは目や耳

 
 
 タイトルは、先日のチャット中の話題で気になったこと。
 
 えっと、ハッキリ言葉で聞いたのは、Cut-inn でのチャット中にささりんが言った時かな。
(もう、15年くらい昔なのか? もっと?)
 
 マスターは、キャラクターが見たものや聞いた音を伝える、知覚の仕事も持っている。
 
 そらそーです。今だって重要ですが、昔のマップやミニチュアを使わない時代のゲームでは特に重要です。
 マスターが描写しない事には、周囲には当たり障りのないモノしか存在しないのですから。
 
 先日聞いた例では、握ると毒の回る剣を使っていて、気付かず死亡したそうです。
 毒のダメージレーティングが回ってしまったとか、セージチェック失敗はともかくとして…
 
 ここで挙がる疑問は、けっこう深刻ですよね?
 
・死亡するほどの毒なのに、体調の悪化に気付かなかったのか?
 その描写はしないのか。
 
・セージチェックで原因を特定できなかったのは仕方ないとして、
 死にそうならとにかく回復を試さないのか?
 
 他にもいくらでもツッコめそうですが…
 
 問題の根っこは「マスターは描写/伝達をしないのか? 」という事です。
 
 ソードワールに有名な「悪い対応」の例があって…
 
「顔に刺青をしていますかって聞かなかったじゃないか。
 だから気付かなかったよ」
 
 こういうのがあります。
 
 マスターは、その人物に出会った際に、初回は刺青にに触れず、
二回目以降に出会ったときは刺青の描写をしました。
 
 そして「君達は同一人物だと気付かなかった」と裁定したわけです。
 
 ってか、コレを裁定と書くのは非常に憚られるな。
 決め付けっつーか、押し付けっつーか…
 
 ここまで来ると
「じゃあ、呼吸するって言わなかったら窒息するのかよ」と同レベルです。
 ガキかお前ら。
 
 いや、この論法を持ち出す老害はいまだ現役なんだ。
 
 3.5だとちゃんと窒息のルールがあるので、水に落ちたら
「息を止めます」と宣言しないとダメだというのだ。
 
 クソ老害がッ、死ね。
 そんな風に身体動作まで「プレイヤーが」宣言しないとダメだっつーならクイーンズブレイドやってろよ。
 アレはオマエら好みなんじゃねーか?
 単に攻撃と宣言するんじゃなくて、上段突きなのか下段払いなのか、はたまた後退か、ちゃんと決まってるぞ。強打だってできる。
 
 3.5であれSWであれ、PCの身体動作の詳細は決まってない。
 正しくは 「そんな詳細まで宣言して決定しろ」 というルールはない。
 
※ もしかしたらガープスなら決まってるかもしれんが、一般的なテーブルトークのルールでは決まってない。
 
 
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 この日記で何回か書いてるけど…
 
 キャラに対して、
 プレイヤーやマスターは
 直接介入しちゃイカンのよ
 
 キャラクターが口下手ならば、
 プレイヤーの弁舌でキャラの問題を解決してはいけない。
 
 逆に言えば、
 キャラが出来ることなら、
 プレイヤに出来なくても、ゲーム内での実行が可能だ。
 
 そりゃそうだよね。
 3.5版で筋力18のキャラなら、300ポンド(136.2キロ)まで頭上に持ち上げられるよね?
 プレイヤーには出来ないけど、キャラにはできる。
 
 それに、プレイヤーが宣言しなくたって体を動かしてるよね?
 
 魔法を使うと言ったら、
 宣言しなくても、動作要素や物質要素を
 使う動きをしてるよね?
 
 じゃあ、水に落ちたら息を止めるとか、いちいちプレイヤーが宣言する必要あるの?
 
 窒息のルールがあるからって、
 水に入る時には息を止める宣言が必須であると
 イコールで結びつけるのは、おかしいんじゃないの?
 
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 今どきねーよ。
 こう思う人もいるだろう。
 
 でも、手を変え品を変え、同じ原理でPCを失敗させたがるクソ老害はいるんだ。いまでもね。
 
 いつだったかな、ハーフリングでプレイしてたときなんだが…
 
 机を運んでたんだ。けっこう静かに行動してるときに。
 で、DMの吐いたセリフはこうだ。
 
「キミは小型だから机を運ぶなら引きずって大きな音が出る。
 だから敵襲だ」
 
 正直、ポカーンです。
 
 筋力的に運べないならともかく、それ以前に、
 
・騒音がまずいと分ってる状況なのに
・騒音を立てる行動を「し終わってる」コトにされ、
・続くアクションまで「発生し終わってる」ワケです。
 
 
 あ…ありのまま 今 起こった事を話すぜ!
『机を運ぶと宣言したら、締め切った室内で敵に襲われた』
 
 な… 何を言ってるのか わからねーと思うが
おれも何をされたのかわからなかった
 
 頭がどうにかなりそうだった…
老害だとかクソマスアーだとか そんなチャチなもんじゃあ 断じてねえ
もっと恐ろしいものの片鱗を味わったぜ…
 
 
 まさにポルナレフ状態だよね。
 
 でも現実はもっと酷くて…
「周りの老害プレイヤー共も、それが普通だと認識していたんだ」
 
 そのプレイグループには二度と行ってないワケだけだが、彼らはいま、どうしてるのだろうか?
 
 
 クラシックの赤箱動画みると、こうした老害プレイに肯定的なコメントが多い。
「ヒドイことに耐えられる俺カコイイ」な厨が現役で大勢いるって事だ。
 
 彼らがネット弁慶や偽悪や荒しなら。
 つまりリアルでやらないならいいんだけど…
 
 本気でアレがいいと思ってるなら… 死ねばいいと思うよ。
 
 
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 君の立場がマスターであれプレイヤーであれ、
 キャラクターを取り巻く行動は、言わなければ伝わらない。
 
 宣言がないと、不可能。
 
 可能 / 不可能ってレベルの話しだから、ちゃんとやってくれ。
 
 そして、行動を決めるには周りの状況が分らないとダメだ。
 
「マスターは目や耳」
 
 ちゃんと説明してくれよ…
 
 
P.S.
 ところで、テーブルトークの how to 本にこんな1コママンガがあった。
 
「ちっちっち、マスター君。
 依頼者の靴についてた泥の種類が分らなければ
推理のしようがないじゃないか」
 
 当然ながら
「何でも用意しておくなんて不可能だから、無茶な要求すんな」
 という内容の風刺画です。
 
 うん、分ってるよ。
 
 でも、89年出版の本ですでに風刺されてるコトの、
 その2つ前の段階が、2011年になってもダメダメなんだ。
 
1:描写/情報を渡さないマスタリング
2:描写/情報を過剰要求するプレイング
3:89年の風刺画
4:いま2011年だけど1を繰り返してる
 
 あ、この本の題名は、
 RPGゲームマスターガイド2 キャンペーンガイドね。
 
 このシリーズは、PLとDMが戦ってる悪い/古い部分もあるけど、
それでも読む価値のある名著なんで、手に入るならオススメ。