HJコン モダン編

 
 
 そんなワケで、行ってきましたモダン・コンベンション。
 
 とりあえず、感想としては超・一本道という所でしょうか。
 何しろ4000フィートもの間、分岐どころか曲がり角すらない直線なのです。
 依頼を受けた段階で、約1マイル離れているとは聞いていましたが、本当に1㎞以上の一本道だったとは…
 
 シナリオの内容は一本道ではなく、ごくオーソドックスな調査です。
 
 バカ話は切り上げて、真面目な感想を始めましょう。
 自分でもDMしてみたいので、内容に関するネタバレは無い方向で行きますね。例によって、フルカラーのグリッド入りマップはもらってきましたし。
 
 まず、このところ精神的にダメダメだった私にしては珍しいくらいハイな状態だったといえます。
 元来トリガーハッピーなので、撃ちまくって、マガジンチェンジして、また撃ちまくれるゲームをするとなるとどうしてもハイになってしまうわけですね。
 
 しかしまー、それだというのに選んだキャラクターはメイジ系(ウイザード系)。
 正直な話、装置無力化が高いので、ずっと「自分はローグ」だと思っていたのです。
 R2さんのページでキャラを見ていて、当日も「このキャラはInt系」と説明を受けていたのに、なぜかローグだと思ってしまう困ったオレ。
 つーか、呪文あるやん。
 
 ワールドの説明というか、キャラクターを通して目に見える世界は、ファンタジーかつパンクでした。
 ノートパソコンやケータイ電話があり、待ち行く人々はバグベアやエルフやマインドフレイヤーなのです。
 進行を止めてしまったのは申し訳ないが、色々と不明な部分があって質問攻めにしてしまった。
 いや、でもね、マインドフレイヤーとかが普通に暮らしていて、バスや電車で自然に出くわすとか言われると、こー、なんというか、質問せずにはいられないじゃないですか。
 それから、舞台こそ日本語圏でしたが、銃器の取り扱いに関してはアメリカ以上にイージーで、ほとんど誰でも携帯可能なようです。
 もちろん、使用に関しては規制も法整備もあるようで、ムチャクチャな虐殺作戦(ハック&スラッシュ)は行えません。
 PCはどこかの組織に所属するか、依頼もとの組織が銃撃戦の後始末を(限度はあるものの)してくれるという事で、ある程度のハリウッド的無理ができるようです。
 
 シナリオ進行は終始サイバーパンク風味。
 依頼を持ち込むバーテン(トミーこと富井)。そのフォロー役らしきエンジェル。どこの特攻野郎だとか思ってしまいますが、それはそれ、これはこれ。
 駆けつけで出されるカクテルの色で仕事内容が大まかにわかるようになっています。
 肉体系ならブルーハワイ(ブルーワーク)で、頭脳系なら白い何か、血風呂(ブラッドバス)を作るならブラッディマリーとかそんな感じらしい。
 この導入で、何と言いますか、もうD&Dではなくてサイバーパンクなワケです。
 
 後でわかった事なんですが、買い物は現金を消費するのではなく、いわゆる購入判定なんですね。MWwGのようだと言って生暖かい視線を貰ったりしましたが…
 
 ネタバレにならないように、我がパーティの行動を振り返って見ますと…
 
 任務は調査である。
 しかし、メンバとその得意分野はダンジョンハックである。
 期日は厳しい感じ(実際にはそうでもないらしいがシナリオを読んだわけではないので不明)。
 電脳調査は、正直、システム面で分からない。電脳空間は無いらしいので、純粋なキーボードハッキングと予測される。
 
 こんな感じで、別に打つ手が詰まったわけでもないんですが、その場のノリで強行突入になりました。
 いやまぁ、時間が無いという謎の思い込みで、夜を待つことすら考え付かなかったですがね。
 
 でまぁ、無理やり強行突入した結果、順当に敗北という感じ。
 全く成果が出なかったわけではないけど、必要不十分な物証しか手に入らなかったので、任務としては大失敗でしょう。
 
 
 全体を振り返って。
 
 まず、一番切実なのは、プレイヤーに情報が無い事。
 ルールブックの現物が無い(英語版も無かった)ので、一般アイテムなどからワールドの雰囲気を読み込むといった作業が出来なかった。
 これに加えて、謎の世界観、つまり、電子機器と魔法とモンスターが同時に存在することがわからず、いや、正確には、どうやって折り合いをつけて共存しているのかが分からず、キャラクターをどう動かしていいのか不明という状況だったわけです。
 
 例えばゾンビですが、モンスター(の種族)が一般市民として存在するのは、まぁ、なんとか理解し、彼らがいる社会を脳内シミュレートできるとして、では作られたアンデットは、違法行為なのか否か? 世間の対応はどうなるのか? こうなると、ルルブにかかれた事を読むしかないから分からない。
 ゾンビを使っている、あるいはゾンビを作ったら、違法行為として法に裁かれるのか?
 
 調査シナリオとして、この辺が分からないとどうにも出来ない。
 
 DMに聞いたところ、ゾンビに出くわすのは「渋谷や新宿の大通りでライオンに出くわすぐらい珍しい出来事」だそうです。
 それはつまり、世界のどこかにはゾンビ(ライオン)がいて、それは決して夢でも幻覚でもマンガの読みすぎでもない、世間一般の既知情報だという事です。
 PCにメイジ(ウイザード)やアコライト(クレリック)がいて、それらへの転職条件は普通みたいでしたから、つまり、D&Dで言えばエイリアニストの「宇宙人と平和的に会う」のような特殊な物ではないようでしたから、我々PCも、最悪でも「街中のライオン」程度にしか珍しくないわけです。もしかしたらバスや電車で自然出くわす隣人程度の珍しさかもしれない。
 
 他には…
 ナイフのダメージは、普通にダガ―同様で1d4でした。
 そして、洋服を着てはいるものの、モンスター種族が普通に街中にいます。その中にはナイフより強力な肉体武器を持つ種族が大勢います。
 この世界の銃刀法ってどうなるんでしょうね?
 それとも、そういう世界だから銃器の持ち歩きが可能なくらい規制がゆるいのかな?
 
 カギ爪は、筆記用具やキーボードの操作、ケータイでメールを打つのにジャマでしょうから、現代的な日常生活を送るなら、モンスター種族であっても無理やり爪を切る(あるいは猫のように爪を研ぐ)でしょう。
 そうなると、結局は外見で「怪物」なのか「コモナー的市民」なのかの区別がつきそうですね。
 
 
 とまぁ、こんな感じで、慣れたゲーマーが無意識のうちに行う
「所持品や魔法、技能や特技といった、データから世界を読み取り、プレイに役立てる」
 このテクニックが使用できず、キャラクターの行動も曖昧になりがちで、方針すら立て難い。
 
 やはり、ルールブックを母国語で読めないとダメってことですね。
 外国語でもいいから、アイテム表くらいは必要で、とにかく資料が必要。
 
 国産ゲームにありがちな、フレーバーにしかならないクソ資料(リプレイの類)だけしかない、演技と称した好き勝手をするゲームなら、それこそ資料なんてどうでも良いのですが…
 ビズ(依頼)の内容や目的とその過程や質に、ゲーム的 / キャラクタープレイ的にも意味があるプレイをするなら、ルールブックは絶対に必要なんです。
 
 HJさんは、商品の発売前に無理やりイベントを開催するリスクを理解しているのでしょうか?
 訳語や、使用ルールの食い違いなどなど。

 こういった事が起こる展開が、販売戦略として正しいのでしょうか?

注:アーバンアルカナは使用されていませんでした。お詫びして訂正します。
 
 
 DACとコミケ系イベント前でゲーマー諸兄が忙しいとは言え、そして三連休の中日という状況を考えても、たった30名しか来ないイベントというのはおかしいじゃないですか。
 普段のD&Dイベントなら抽選して、泣く泣く来場者を減らしているじゃないですか。
 
 HJさんは、もう少し、イベントを見直して欲しいです。