05 どんなパーティがフツーっぽいのか? 01

 
 
 D&Dはパーティを組むことを前提に考えられたゲームです。
 他の仲間が得意なことは、自分には出来なかったり、苦手だったりします。
 
 砕いて言えば 「仲間の出番を奪わない」 ように作られています。
 
 そして、レベルごとの遊び方も考えられています。
 
 今回は、何がどうだとフツーっぽいパーティになるのか、
コレを探っていきましょう。
 
 
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 ファンタジーやSFでは、現実の私たちの常識が通じない場合がありますよね。
 
 例えば密室トリックです。
 私たちの常識では密室となっていても、ファンタジーの魔法やSFの超科学で、
実際には密室では無くなるワケです。
 具体的にはテレポート呪文などです。死者との会話もこうした一例でしょう。
 
 これらの例に限らず、魔法の使用によって障害が障害として機能しなくなる事が
あります。
 もちろん逆に、障害突破方法として魔法が期待されることもあるでしょう。
 
 勘違いしないで欲しいのですが、これは悪いことではありません。
 そして良いことでもありません。
 
 舞台装置として “そのようになっている” だけであり、
良いとか悪いではないのです。
 文字通り “そのようになっている” だけなんです。
 
 リンゴは木から落ちるんです。
“そのようになっている” だけですよね?
 これに文句を付けてもどうしようもないでしょう?
 
 
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 さて、話をD&Dのパーティ構成に戻しましょう。
 
 これまでに、ゲームの仕組みとして、脅威度と敵の強さの関係を述べました。
 キャラクタについて、要求されるフツーの強さを述べました。
 
 そして、もう一つの軸として、魔法のレベルで考える必要があります。
 
 上の例そのままで、魔法によって障害が障害で無くなり、挑戦のはずが
時間の浪費になってしまう事があるのです。
 もちろん逆に、障害突破方法として魔法が期待されることもあるでしょう。
 
 この辺を考慮しなきゃならんのは、理解できますよね?
 
 シナリオも、当然ながら魔法が使われることを考慮しています。
 対象レベル9となっているなら、PCがテレポートすることは承知の上なんです。
(テレポートは呪文LV5で、キャラクタLV9から使用可能になります)。
 
 もちろん、レベルが9だからと言って必ず術者レベルも9ではないかもしれません。
それに、ソーサラーであれば10LVにならないと使えないですしね。
 
 でも、シナリオを用意する身であれば “詰み” を回避したり、逆に簡単すぎる
障害の突破は避けたいワケです。
 
 砕いて言えば 「見せ場を奪わない」 ように考えています。
 
 だから、例えば9LVであればテレポートの使用を前提に考え、準備します。
 大は小を兼ねる。分かりますよね?
 
 こんな風に、脅威度を考慮する上でも、シナリオを考える際でも、
“そのように見なされている” ことなんです。
 
 おおっと。なんで脅威度の話が出てくるかと言いますと……
 
 障害をつまらない物に格下げしない、つまりは、
 
 キャラが解決するトラブルの価値を下げない。
 
 こう言う事なんですね。
 さっきから言っている 「見せ場を奪わない」 も、言い方が違うだけですよね。
 
 魔法だと分かりにくければ、敵だと考えてください。
 強敵を倒すのとザコ敵を倒すのでは、どちらがより楽しいか、価値を認められるか。
 
 呪文使いには呪文使いの見せ場があります。
 見せ場をつまらないモノに格下げしないってのは、必要な事ですよね?
 
 そしてもう一つ。実はもっと単純な問題があるのです。
 呪文使いのキャラにとって、非常に重要な問題です。
 
 呪文の数が減るのです。
 
 呪文を唱えるのが術者の仕事なのに、その呪文の数が減るってのはいただけない。
 使用できる最大レベルに加えて、使う数まで減るってのは、これは厳しいですよ。
 
 
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 とまぁ、こんな感じで、フツーのパーティであれば、術者はECLと術者レベルが
同じなんですね。
 
 少なくとも、そう期待され、要求されるわけです。
(ECLは有効キャラクターレベルの略。レベル調整値などを含めた、要するに
そのキャラクタの総合レベルです)。
 
 長々と書きましたが、今回言いたいことはコレだけでした。
 
 フツーのパーティであれば、術者はECLと術者レベルは同じ。
 
 今回は以上です〜
 次回はサンプルパーティを出してみたいと思います。
 
… 赤リボン〜〜 を見て、自分のキャラメイクの下手さに絶望していたワケですが…