07 要素の洗い出し

 
 
 上手いキャラ構築に関して書いていたら、説明が一回分足りないことに気づく。
 あーもー、さっさと次に移りたいなぁ
 
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 D&Dは多人数協力型のゲームなんで、パーティ組んで出来ないことを
補い合って遊ぶわけですよ。
 他人の見せ場を奪わないようにってのは、味方同士で食い合っても一つも
良いコトないから、素直に自分のシゴトをやっとけやっつー のを含めて
言ってるワケです。
 
 じゃぁ何が見せ場(分担の発揮しどころ)で、
 それは誰の役割かっつー要素を解説していきます。
 
 最初に、クラスに根ざした要素を出します。
 これは最小限4名での構成を念頭においていますので、5人目6人目でよければ、
今回挙げていない挙げてないクラスも入ります。
 
 その次に、クラスに関係のない要素を出していきます。
 こっちの要素は、普通は = コアのみ環境 ではパーティが協力し合ってヒネリ
出すものですが、サプリを色々突っ込むと、個人の力で解決したり、金で解決
したりします。
 
 最後に、これは見せ場とは別になりますが、ゲーム上のパラメタとして
上がっている要素を一覧にします。
 
 
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 では、クラスに根ざした要素を出して行きましょう。
 
・ダメージを出す役
 ファイタやババの役。レンジャーやローグは条件を満たせばこなせる。
 ソーサラーは安定してるとは言えない。ドルイドは難易度がネックか。
 前衛クレも入れるが二人目のクレという感じ。
 高い筋力と、《強打》や激怒能力でまかなう。
 
・ダメージを引き受ける / 他の仲間へ回さない役
 ファイタやババの役目。戦場コントロ−ルという意味ではウイザードも入る。
 ACが高すぎると無視されるので、この役割から外れてしまう。
 ACが低すぎると自分が死んでしまうので、途中から役割を外れてしまう。
《迎え討ち》や足払いの戦術行動、グリースやウェブの呪文などで行う。
 
・範囲 / 属性攻撃をする役
 ソーサラーやウイザードの役目。ファイタも斬る突く叩くの武器属性は必須。
 PHBのみだと銀の武器にも事欠くので注意。
 属性を付与するという意味ではクレも含まれる。
 このゲームでは複数回の攻撃と範囲攻撃は違う。例えばサイズの小さなスォーム
(群体)は、武器攻撃では効果がない。このためファイアボールなどが必須となる。
 
・HPや状態異常を回復する役
 クレの役。予算の負担をクレに一点集中しないように注意。
 また、クレが状態異常を食らったときの為にアイテムで済ませられるモノは
他の人が運搬しておこう。
 キュア系呪文、レスレーション系呪文でまかなう。
 
 脱線になるが、薬ビンにはラベルを付けよう。持ち主が意識不明のとき困るぞ。
 PHBのみの環境だと、クレの負担が大きすぎるのが難点。
クレのためにも、DMの自由度を確保するためにも、呪文やアイテムを増やすべき。
 
・特殊な状況を打破する役
 ウイザードやクレリックの役。単にディスペル呪文だったりする。
ドルイドだと対応できない場合があったりするので注意。
 魔法的な障害への対応が多いが、地形的な障害(空中 / 水中)も含む。
 空を飛ぶ位はアイテムで解決できるが、全員でテレポートなどのように、
他のクラスでは代替できない状況もある。
 
・支援 / 強化をする役
 ウイザード、クレリックの役割。
 結局、D&Dの支援は魔法に頼ることになります。だから、バリエーションが
豊富なウイザードとクレになっちゃうんですよね。
 バードが札束で解決ってのはスマートじゃないし。
 ヘイストや能力値増強のブースト系、レジストエナジーなどの防御系などを指す。
これらの呪文を安定して用意できるようにと考えると、やはりクレとウイズになる。
 
・調査(知識判定含む)の役
 ウイザードの役。
 実はバードが入れない。というか、NPCバードで済まされてしまう。
 話を聞いて回る情報収集活動より、呪文による質問や知識判定の方が回数が多く
結果が実用的だし、バードだと他に取るスキルが多くて回せない。
 DRが複雑化している上に、致命的な特殊能力(ラストモンスターなど)もあるので、
知識判定はバカに出来ないのだ。
 
・知覚 / 偵察の役
 ローグ、レンジャーがメインになる。
 バードだと、器としては出来るけど、実際には手が回りません。
 視認と聞き耳の高い人がパーティに一人はいないとやはり厳しい。
不意打ちされまくりや、ヒントをスルーされ続けられるとDMも困るので、
ゲーム / シナリオの運営的にも誰か成功してください。
 追跡という意味でも期待したいが、フィートの関係で難しくなってしまう。
 ファイタも視認や聞き耳を取れという意見も多く聞かれますが、余裕がある
ときに考えることですね。ワタシには、軽業と平衡感覚より優先度が高いとは
思えません。
 
・ワナなどの対応
 ローグの役割。ニンジャは、残念ながら無理かな。
 ワナには 「ひっかかって耐える」 という対応があり、
 ドアやカギには 「破壊して済ます」 という対応があるため、
ワナへの対応というか、ローグの存在価値は軽んじられています。
「No rogue , no problem」「ローグ無しでも問題なし」 などと言われています。
 ワナ対応というよりも、探し物の能力が重要かもしれません。
 
 脱線しますが、現状では 「隠し扉を見つけるとより多くのお宝が見つかる」
といったシナリオ作成をしているように見受けられます。
 ゲーム内の役割分担として考えると、ワナ対応要員ってのは必要性が微妙な気が
します。
 プレステージまでの土台作りと考えると良いかも。
 
 
 過不足はあるけどその辺はスルーで。
 上記は全て、その役割を安定して行えるっつー条件付です。
 一回だけダメージ出せばいいならウイザードがファイタ枠に入っちゃうでしょ?
 
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 次に、クラスのような 必要な 要素とは別の要素を洗い出していきましょう。
 
 この部分は、正直難しいです。
 目新しいというか、触れない人は触れない部分ですので、ここでワカランという
人がいてもおかしくないです。
 シャーロックホームズ的天才でないと、聞いただけで把握は出来ないです。
 
 まずは、完全耐性と呼ばれる無効化能力です。
 種類はさまざまですが、毒や病気、炎や冷気といったエナジー系、その他です。
 
 これらを得ることは難しいですが、あると非常に強力でしょう。
 通常では考えられない手段が可能になるからです。
 例えば、炎への完全耐性を得てから、敵に抱きついて溶岩の中へ飛び込むなどです。
 炎ひとつでコレですから、想定しきれないほど様々な方法が考えられます。
 
 次に、魔法によらない飛行手段です。
 魔法無効化状態で敵に抱きついて高度を取り… 手を離すだけです。
 特定の地形、例えばガケなどでは、飛行魔法を消されるだけで大問題です。
 
 この他、擬似視覚と呼ばれる、視覚以外で周囲を“見る”能力も強力です。
 
 最後に、エベロンで登場したウォーフォージドは、メカ生命体です。
 彼らは呼吸せず、睡眠せず、老衰せず、疲労しません。
 有効性はともかく、日本からアメリカまで徒歩で行けるって事です。
海底を歩いても問題がないですからね。
 
 この例示で言いたいことは
“必要” な要素とは別に、
“選択肢が広がる” 要素があるって事です。
 
 もっと細々した例を挙げることも出来るのですが、余り意味がないので止めますね。
 これらの“選択肢が広がる” 要素も、頭の片隅に入れておいてください。
 
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 最後に、ゲーム用語としての要素を列挙しますね。
 全て、後ろにボーナスかペナルティが付きます。
 
 回避、外皮、加速、強化、技量、幸運、サイズ、士気、種族、状況、清浄、
 体得、盾、抵抗、洞察、反発、不浄、鎧、錬金術
 最後に無名。 あー、透明/不可視も入るかも?
 
 これらが、能力値や命中値やダメージやACなどなどに足されるわけです。
 足し引きされる方だって、大した種類はありません。
 
 能力値、移動力、AC、ST、スキル、命中、ダメージ、(一時)HP、(術者)レベル、
 このくらいですね。
 
 組み合わせだって少ないです。能力値に盾や鎧のボーナスは加わりませんから、
総当りみたいに多いわけじゃないんですよ。
 
 一番多いのは命中かな?
 サプリまで入れれば、加速、技量、幸運、サイズ、士気、種族、状況、洞察、
錬金術、無名の10種くらいは足せそうです。
 
 そうそう、組み合わせといえば、この中で無名と回避は毎回上乗せされます。
 状況は、同じ発生源でなければ上乗せされます。
 
 無名と回避のボーナスは、ソレが何であれ足し算をしていきます。
貰ったらドンドン足せるわけです。
 
 状況は、種別というか、原因が異なれば足されていきます。
「強風」の中で「不安定な」「細い」「油の塗られた」 ロープで綱渡りをすると、
全ての状況ペナルティが足し算されていきます。
 しかし、ここで別途に風を吹かせても加算されません。
 同じものは上乗せされないからです。
 
 上記の3つ以外は、一番大きな数値だけを使用します。
 例えば外皮+2と外皮+3の2つを得ていても、+3しか有効とは見なされません。
 
 データに強い人には読めてきたと思いますが、追加サプリを手早く
読み込むのはこの部分に掛かっています。
 
 例えば、PHBで清浄ボーナスはハロウ呪文くらいでしか登場しません。
しかも用途はアンデット退散くらいです。
 これは逆に言えば、追加サプリで清浄ボーナスが登場したら、ほぼ確実に
有益だということです。これでACに加わるなんて書いてあったら、即戦力
間違い無しです。なにせ他とダブる心配がないですからね。
 
 これと同じように、今あるボーナスを列挙しておけば、追加サプリに書かれた
データが有益か無益かが一瞬で見分けられるんですね。
 
 こういった、ちょっとしたコツを知るだけで、サプリの読み下しが楽になります。
 というか、書式に沿った記述をしているので、読み間違える可能性はゼロです。
ゲーム用語は記述が決まってるから、英語版でも読めるわけです。
 
 なに、全部の要素を抜き出しておく必要なんて無いんですよ。
 ファイターをやった際に、掛けて貰ったブーストをメモしておけば充分です。
 
 今までに無い種別か、今までより大きい数値だったら新手のブーストです。
手間は掛かりますが、複雑さはありません。
 
 
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 クラスに根ざした要素、
 選択の幅を広げる要素、
 ゲーム用パラメタ。
 
 これらを挙げてみました。
 こうした、意識しないと見えない(見る必要がない)部分も、知っていれば
役立つことがあります。
 上手く楽しくゲームするための、何かの役に立ちます。
 ヒマなときに一考しておくと、いい感じです。