Ex ウイザードの継戦能力について

 
 
 ウイザードは、山ほどの不利を背負ってもなお最強クラスと呼ばれてきましたが、それはプレイヤーの腕前あってのことです。
 
 3.5は、それ以前に比べれば格段にウイザードに優しい環境ですが、それでも普通の視点で考えれば「あり得ない」くらい厳しいクラスです。
 
・呪文選択が外れると、死に易いお荷物。
 
 しかもその呪文選択は、
・準備時の呪文習得と、
・当日の呪文選択
 この二段構えの両方とも、失敗が許されないのです。
 
・序盤のレベルでは呪文の使用回数が非常に少ない。
 
・呪文の習得にゲーム内時間を多くとる。
 巻物からの場合1つに3日。
 元が少ないのに、増やすのも有料かつ長時間かかります。
 
 はてさて、不利自慢はこのくらいにして、本題に入りましょう。
 
 この不利なクラスは、冒険でどのくらい役に立つのか?
 どのくらい、戦力を維持できるのか?
 
 コレが今回のお題です。
 
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 まずは、魔法の使用回数から確認しましょう。
 
 コンベで使用できるのは4LVまでです。
 これは3LV魔法が出てくると煩雑になるためです。
 
※ オレは問題ないと思うんだけどね。
 知らんヒトから見たら、数が増えた以外の違いは無いでしょ?
 
 魔法を使うには能力値の制限があります。
 また、能力値ボーナスで使用回数も増えます。
 
 そんなワケで、まず能力値を決めるところから始める必要があります。
 
1:最小限にしてみる
 この場合、2LV呪文を使える最小値になるので、12ですね。
 魔法の効き目も弱くなり、2LV呪文の使用回数も増えないので、純粋ウイザード枠としてはありえません。
 却下です。
 
2:魔法の回数が増える最小値にしてみる
 この場合、2LV呪文が最小値なので、14 = +2 ボーナスですね。
 12の例と同じように、基本的に却下です。
 ただし、ウイザード3/その他1のメイクなら無くはないでしょう。
 このメイク自体が無いですけどね。
 
3:最大値にしてみる
 この場合、18ですね。妥当な線です。
 魔法の効き目は知力に直結しているので、数の少ない魔法を使うなら、少しでも効き目を強めないと話になりません。
 
 なけなしの魔法を使って、
「敵に防がれました」じゃ、プレイしてつまらないですよ?

 
 
4:あらゆる手段を使ってみる
 DMGからグレイエルフを選んで知力+2で20。
 加齢ルールを適用して、 -1.-1.-1.+1.+1.+1
 レベルアップ時の上昇を適用して+1
 これらを全て足すと、知力22に届きます。
 所持金の7割を使いますが、知力+2アイテムも買えます。
 専門化して使用回数を増やす。
 
※ 種族は、FRなら下級版ファイヤージェナシもあり。
 知力+2、魅力-2で、レベル調整値もない。
 
 
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 と、言うわけで。
 最小で12、最大で24となりました。
 
 アイテム購入なら、加齢せずに作って、22でしょうか。
 知力22だと、魔法の使用回数が+2回されるからです。
 
 それぞれ、実際にどうなるか能力値と回数を見てみましょう。
 
12の場合
 0LV:4,1LV:4,2LV:2 1〜2LV計:6 難易度:+1
 
14の場合
 0LV:4,1LV:4,2LV:3 1〜2LV計:7 難易度:+2
 
18の場合
 0LV:4,1LV:4,2LV:3 1〜2LV計:7 難易度:+4
 
20の場合
 0LV:4,1LV:5,2LV:3 1〜2LV計:8 難易度:+5
 
22の場合
 0LV:4,1LV:5,2LV:4 1〜2LV計:9 難易度:+6
 
22で専門化の場合
 0LV:5,1LV:6,2LV:5 1〜2LV計:11 難易度:+6
 
24の場合
 0LV:4,1LV:5,2LV:4 1〜2LV計:9 難易度:+7
 
24で専門化の場合
 0LV:5,1LV:6,2LV:5 1〜2LV計:11 難易度:+7
 
 
 はてさて。
 見ての通り、22で専門化が一番バランスが良いようです。
 5400gpの予算から、4000払って+2ですな。
 
 グレイエルフで加齢をすると、能力値が酷い事になるんですよ。
 
 32ポイントの例:08.10.12.22.12.10
 28ポイントの例:07.10.12.22.10.09
 25ポイントの例:05.10.12.22.09.09
 
 アイテムで22にする場合、単発なら開始値を17に出来ます。
 
 11.12.16.17.10.08 = 3+4+10+13+2+0
 09.14.14.20.10.08
 
 このくらいじゃないと
「学者じゃなくて冒険者」って
 感じがしないですよね。
 
 下級版ファイヤジェナシありで32ポイントなら、かなりいい能力値にできます。
 
 10.13.16.17.10.08 = 2+5+10+13+2 = 32
 10.13.16.20.10.06
 
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 さて。
 
 0LV:5,1LV:6,2LV:5 1〜2LV計:11 難易度:+6
 
 このように、1日に使える魔法の回数が出ました。
 次に、魔法の内訳を考えましょう。
 
 日本語ありありで考えると、こうでしょうか?
 
2LV*5:グリッターダスト*2,ウェブ,フレイミングスフィア,シーンビジビリティ
 
1LV*6:グリース*2,フェザーフォール,カラースプレー,Bトランスポジション,MM
 
0LV*5:アシッドスプラッシュ,デテマ,リドマ,ガイダンス,ダンシングライツ
 
※ 知力22で専門化すると、呪文の回数が習得数を超えます。
 ありありなので《学士ウイザード》で数を補います。
 これにより、1LV呪文13個、2LV呪文8個を習得。
 3LV時の特技は 《即時呪文威力最大化》 《炎の爆発》で。
 
※ HJコンでは、ウェブは「gdgdになるから禁止」だったようです。
 
 こうした呪文を用意したキャラクタは、何回の戦闘に耐えられるでしょうか?
 
 グリース*2、カラースプレー、グリッターダスト*2。
 主戦力がこれだけあると、3戦闘は充分いけますね。
 
 フレイミングスフィアは、即時最大化と合わせて使うと、
 かなりの時間、最大ダメージを出し続けられます。
 強力な攻撃手段と言えるでしょう。
 
 ウェブは、撤退/逃走用かな?
 シーインビジはグリッターとのコンボパーツ。
 MMはトドメよう。
 Bトランスポジションは、スキルと前衛の入れ替えかな。トラブル解決用と考えるべきかも。
 
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 さて。使い道を考えてみた結果、
 
・大盤振る舞いの3戦闘
・普通に4戦闘
 
 このくらいだと分かりました。
 
 1戦闘のラウンド数が5Rだとしたら、
・3戦闘だと15R
・4戦闘だと20R
 
 魔法使用回数が11回と考えると、
 4戦闘でも、2ラウンドに1回は魔法を撃てます。
 これなら充分でしょう。
 
 おそらく「にわかの移動」を取るでしょうから、
 6回もテレポートできるので、生存に関しても問題ないはずです。
 
 比較のために、知力18の場合も考えて見ましょう。
 
 1戦闘のラウンド数が5Rだとしたら、
・3戦闘だと15R
・4戦闘だと20R
 
 魔法使用回数が7回なので、
 4戦闘だと、3ラウンドに1回しか魔法を撃てません。
 
 いわゆるボス戦では大量に魔法を使うことを考えると、
 18でもまったく不足だと言わざるを得ません。
 
 ザコ戦で節約することを考えても、4戦闘では厳しいですね。
 
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 プレイ時間を考えると、1日に4戦闘するのが精一杯のはずです。
 大きな戦闘なら3戦闘になるでしょう。
 
 こう考えると、温存特技で《炎の爆発》を取る必要は無いかも?
 毎ラウンド攻撃的な何かをしたければ便利ですが、立ち位置を上手くしないと「にわかの移動」があっても厳しいかもですね。
 なにせ射程が6マスしかありませんから。
 
 5LV時に代替特徴で「占術任意発動」を取れば、シーインビジやデテマをスロットに入れる必要がなくなります。
《学士ウイザード》で多くの魔法を覚えておくのが役立ちますね。
 1750gpで自動書記ペンを買っておけば、24時間以上同じ場所にいる日には = 宿屋に泊まる日には、巻物を作れます。
 この意味でも《学士ウイザード》は重要でしょう。
 
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 魔法を使わない時に、どうするか?

 
 はてさて。
 上で書いた通り、頑張っても戦闘の半分は魔法を使えません。
 
 では、その半分をどう過ごすのか?
 がんびっとPの千早ではありませんが、
 
「3DAは、良くても3回に1回しか勝てない。
 ならば、勝てない2/3をどうプレイするかが、より重要」

 
 同じように、魔法を使わない時の動きをどうするか?
 
 これが重要なわけです。
 
 ありえない事ですが、もし荷重に余裕があれば、足止め袋などのアイテムを使うと良いでしょう。
 敏捷が高ければ、クロスボウを撃つのもありです。
 
 自分はウイザードだと考えるのではなく、
 自分は冒険者だと考えれば、
 何をすべきか、どう動くべきか、見えてくるはずです。
 
 冒険者の中で、魔法を担当するメンバーなら、どうするべきか?
 
 ウイザードだから、戦闘中はとにかく逃げる?
 それは冒険者の動きじゃないですよ。
 
 自分がどのくらい魔法を使えるのか?
 どのくらい、戦闘に参加できるのか?
 
 自分は冒険者の魔法担当なのか、
 象牙の塔にこもっている研究者なのか。
 
 ちょっと考えるといいと思います。
 
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 今回はここで終了ですが、オマケを少々。
 
 10LVでの魔法使用回数をチェックしてみた。
 
呪文LV:0,123,45
元の値:4,443,32
専門化:1,111,11
能力値:0,322,22
 合計:5,876,65
 
 ゼロレベルを除いた回数で、32回もあります。
 この位のレベルになると、前日掛け、事前がけが多くなりますから、戦闘中に唱える分は半分かそれ以下になります。
 
 それでも、10〜15は残るわけですし、
 予算的にワンドもあるでしょうから、
 戦闘中、毎ラウンド魔法を使うことも可能でしょう。
 
 逆に言えば、
 
 単発シナリオでは、
 ウイザードは魔法を使いっぱなし

 
 と考えられるわけです。
 10LVくらいになると、手加減無用なワケですね。
 
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 ええと、すごく悪いオマケ。20LVだけど。
 
「宿命の種族」にて、歩く電光掲示板こと、イルミナンが紹介されました。
 彼らの能力の一つに、こういうものがあります。
 
 魔法のボーナス使用回数を、筋力で決める。
 
 もちろん、魔法自体を使うキー能力値は変らないので、ウイザードなら知力、信仰系なら判断力が必要ですが、ボーナス回数だけは筋力に変えられます。
 
 ところが、この筋力は非常に上げやすいんですね。
 以下に、筋力の上げ方を挙げます。
 
・+18 能力値 元値
・+32 サイズボーナス ジャイアントサイズ呪文
・+16 強化ボーナス バイト・オブ・ワーベア呪文
・+4 無名ボーナス ギラロンズブレッシング呪文+フューズアーム呪文
・+5 無名ボーナス レベルアップ分
・+5 体得ボーナス ウイッシュ呪文かアイテム
・+4 清浄ボーナス ホーリートランスフォーメイション呪文
 
 とまぁ、とりあえず 筋力84になりました。
 
 呪文の使用回数は、12を超える8毎に+1回されるので…
 
呪文LV:0,1.2.3,4.5.6,7.8.9
元の値:4, 4. 4. 4, 4. 4. 4, 4. 4. 4
専門化:1, 1. 1. 1, 1. 1. 1, 1. 1. 1
能力値:0,10. 9. 9, 9. 9. 8, 8. 8. 8
 合計:5,15.14.14,14.14.13,13.13.13
 
 ゼロレベル以外の合計回数が、133回になりましたね。
 
 ジャイアントサイズはウージェン専用とか、細かいことはどうでもいいんです。〈魔法装置使用〉でもウイッシュのエミュレートでも何でもいいじゃないですか。
 ヒューワーズ・フォーティファイイング・ベッドロールで寝れば、1時間で休憩終了ですよ。
 
 いやー、ダークシュナイダーもそうですが、
 やっぱウイザードは殴りあい最強ですね。
 
 世の中どうなってんだかもう…