ARA13LVをプレイした

 
 
 コンベにてアリアンロッド全部ありの13LVをプレイした。
 感想の要点を上げると以下の通り。
 
 おおと。
 ARAのプレイ経験は5回に満たないはずなので、あくまで現状の見解。
 こう書いておかないと、自分で見返したときに「あ、昔に精査したのか」と思い込むので自分に要注意。
 
・DD3.5と同程度に、煩雑かつパワフル
・DD3.5と同程度に、パワープレイヤーの前にマスター涙目
・全データサプリで10冊程度? そして価格は…
 
 基本、上級、リーンフォース、アイテムガイド、トラベルガイド、エネミーガイド、ドレッドダンジョン、エリンディル、サガ(ワールドガイド?)など……。
 上記にはシナリオ集も含まれているが、GMの持ち込んだのは以上だった。
 
 上記で上げていないサプリ(ワールドガイド系やシナリオ)にも追加データはあるが、おそらく重要度が高くないのだろう。あるいはコピーで充分なのかも。
(コピーと言ってしまえば全部そうだが)。
 
 ARAは前から欲しいと思っていて、先日のHJガレージセールでも、せめて上級だけでもと探したのだが、見つからなかった。
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 煩雑さに関して。
 
 恐らくだが、1から30まで同レベル帯のDD4.0と比べたら、4.0の方が軽いだろう。少なくとも現状では。
ARAは(も)30LV以上あるようだが、それは知らない。
 
 DD3.5と比べた場合、おそらく同程度に重いだろう。
 レベルはARAを1/2にしたくらいの比率なのか?
 1/2〜1/3くらいの直線ではないグラフになるだろう。
 
 思うに、D&Dの方が重いと感じてしまう原因は、ハズレ呪文、ハズレ特技の多さだろう。
 無論、ハズレの中には後発サプリで化けるモノやPC向けじゃないダケな場合もあるが、分母が膨大すぎてやってられないと感じてしまうわけだ。
 これは武器で特に感じられた。13LVの前線(ウォーロード)で有益な武器の種類は、当日DMが持ち込んだサプリの中で1〜2個だった。
 
 3.5の場合、何にどの特殊能力をつけるかで莫大な選別処理が必要になる。
 MtGの会社だから当然といえば当然なのだが、3.5で生じていた選別の手間は、ARAでは圧倒的に少ない。
 
 運用時には同程度の重さになる、言い換えると、コンボの作成には同程度の手間が掛かることから、切り捨てる下準備が減っただけなのだろう。
 
 また、割り込みの回数に制限がないので、取った能力のほぼ全てが活用できる。
 昔の思想で作られたゲームと違い、この辺がストレスフリーなワケだ。
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 パワー傾向に関して。
 
 DMが予期していなかったスキルコンボで、攻防に+50ボーナスが戦闘毎に付与され、戦闘中の割り込み防御で30〜40防ぐため、敵やワナの攻撃に意味がなかった。
 マスタが(彼なりに)カリカリに作ったキャラは、攻撃力50で2回攻撃なので、この50がいかに大きいか分かるだろう。
 実際、私のPCが被弾したのはわざと食らった1回だけだ。
 ダメージ返し能力を2つ持っていたのでそれを活用するためと、HP限界ギリギリでちょうど良かったからだ。
 
 常時ブースト込みで5d振り、これで2回攻撃なので、2〜3回に1回はクリティカルする状態になっている。最大で6〜7dまで行くようだから、相当なクリティカル率だ。
 
 トラップはどれも30d級のエリアで、ボスの能力も相当なものだったが上記のブーストでPC側はほぼ無傷で戦闘を終了し続けた。
 リソース的には、錬金術師らしいクラスがポーションを全員がけしていたため(そして全員が山ほどポーションを持っていたため)、戦闘終了ごとに全快した。
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 全体的に。
 
 やりすぎはともかくとして、新しいシステムのよさを感じた。
 DMが厨房的にパワープレイヤーに逆らうこともなく、ルール記述に従い(悔しそうなのは最初だけで、その後はうつろな目だった)、トラブルはなかった。
 
 思うに、老害の精神構造や、それを形成した昔のゲーム構造は「わざとストレスを与える」ことを主眼としているのだろう。
 
 物語的、演出的には、ガマンの後に来る達成感のためにストレスが必要だ。
 しかし、テーブルトーク黎明期の人材にこれを理解しているゲーマーやデザイナがいただろうか? 仮にそんな人材がいたとして、受け止める側にもそんな人材がいただろうか?
 
 嬉しそうに、あるいはごく普通に(こちらの方がナチュラルな分怖いしタチが悪い)、ストレスを与えるゲーマーを見たことがないだろうか?
 
 借金させろ、足手まといをつけろ、トラブルを背負わせればシナリオの元だ。
 自由に買い物をさせるな。情報も持たすな。とにかく自由度を与えるな。
 
※ これの極端な例が、以前から例に出している「ウマ」ですね。歩くより早く行動することすら許せないのです。
 
 キレイな言葉で飾れば、制限(ストレス)は選択の楽しみに変わるだろう。
 選択と、それが正解した場合の楽しみは、本当のことだから。
 
 でも、制限とケチるのは全く違う。言いがかりをつけるのとは全く違う。
 有名な例としては、顔にイレズミした人物と出会ったのに「聞かれなかったから教えない」というのがある。
〈視認〉や〈聞き耳〉の受動判定が許せないマスタも多い。『「注意して歩く」と言わなかったから不意打ちした』を引きずりすぎだ。
 例えば橋を捜索するとして、川の中への〈視認〉の受動判定(というか〈隠れ身〉との対抗判定)をさせるだろうか? ルールでは視界に入れば判定が発生するが、させるだろうか?
 
 当然の権利さえ、出し惜しみするゲーマーが多かったのではないだろうか。
 ストレスを与える意味を理解せずに、ストレスを与えるためにストレスを与えていないだろうか?
 
 私はガープスをやっていなかったので、DD3.0でポイント式のメイクに出会った。
 NOVAはスタイル選択による能力値合計だから、これも意味的にはポイントバイと同じだが、ツクダ以降の複雑怪奇なコンボと厨なプレイヤ層についていけなくて止めた。
 
 だから、ポイント制によるイーブンコンディションの(公正な)メイクに出会ったのは3.0が実質的に初めてなんですね。
 
 あぁ、こう考えると、ガープスが流行ったのも当然の流れなんだろうな。
 一応とは言えレギュが示せて、CPを払ったという根拠によってプレイヤーがちゃんと権利を主張できるようになった。これは、好む人が出るだろう。
 メイクにものすごい時間と手間が掛かるから、レギュ無視上等とか、他人の努力をあざ笑うマネとかに胸が痛まないマスタ以外は、安易な内容改変を控えただろう。
 
 まぁ、ガープスはサーベルタイガー的に絶滅したようですが(鳥取ガラパゴスでは生きてるでしょうけど)、D&Dはどうなるんでしょうね。
 
 価格が安くて、下準備の手間が省けて、運用面の手間は同じくらいで、数値的にドンドン派手になって成長が大きく実感できて、日本語のルールだけ発売している。
 
 こんなゲームと比べると、高価な翻訳ゲームは厳しい立場にありますよね。
 
 じゃぁ、せめて現場の我々は、運用でラクをさせましょうや。
 
 今回の結論はコレ。
 
 運用でラクをさせましょう。
 
 大事なことだから二度言いました。