ローグの進路?

 
 
 ところで、弓ファイタと弓ローグを比べると、悲惨なくらいローグが弱い。
 
・3LV時点
 
 Ftr(ウッドエルフ)16.16.12.10.11.08 (25pts)
《近距離射撃》《精密射撃》《速射》《遮蔽抜き射撃》
 実質的な命中は、最大+8、最小+4(2回攻撃)
 BAB+3,Dex+3,高品質+1,《近距離射撃》+1,
 遮蔽-2,《速射》-2
 ダメージ 1d8+4(+3Str,+1《近距離射撃》)、2d8+8(2回攻撃)
 HP:24  AC:17
 
 Rog(ウイスパーノーム)11.16.14.14.12.06 (25pts)
《近距離射撃》《精密射撃》
 実質的な命中は、最大+8,最小+4
 BAB+2,Dex+3,高品質+1,サイズ+1《近距離射撃》+1,
 遮蔽-4
 ダメージ 1d4+1(+1《近距離射撃》)
 HP:19  AC:18
 
 
 当たり前なんですが、3.5のローグはダメージを出す人じゃなくて技能枠です。だからファイタの方が優秀なのは正しいんですが…
 
 上の例は、最大の命中だけ見ると互角なようですが、実はぜんぜん違います。
 最小の方を見れば分かるとおり、2回攻撃してるのに同じなんですね。
 攻撃を1回に限定すれば、+6と+4の違いがあります。
 
 ファイタの方は、4LVで開眼、6LVで熟練やそのほかの射撃フィート、そして8LVで体得が取れます。
 命中もダメージも、攻撃回数すらも、ドンドン上がるわけですね。
 
 ローグは、レンジャーやニンジャやスカウトでダメージとスキルを両立させられるように見えますが、フィートも少なく、命中が上がらず、ファイタと比べると二重に命中とダメージが低いままです。
 また、スニーク系能力でダメージ追加するとしても、その場合は攻撃回数が1回に限定されます。
 
※ 例外的にニンジャで姿を消すと全力攻撃でも乗る。ただしこの例だと1日2回だけ。しかも鎧不可。
 
※ 以前の日記で確認した通り、弓ローグが〈隠れ身〉からスニークを乗せるのは絶望的です。実質的に、1戦闘に1回。
 その上フィート的にイニシアチブ強化も取れない以上、現実的ではありません。
 
 全力攻撃で攻撃回数が増えるのも遠く(8LV)、フィートで2回攻撃(《速射》)を取るのも、上記の例だと6LVを待つか、レンジャー2LVを取って5LV目です。
 
 ***
 
 技能枠であるローグが、攻撃枠であるファイタにダメージで追いつかないのは構わない。
 でもね、せめて半分以上のラインには行きたい。
 メインファイタの半分じゃぁ、戦場のレベルアップに追いつけないのよ。
 
 価値のないレベルまで差が付くと、さすがにへこむ。
 このゲームで戦闘中に意味が見出せないと、ダメじゃん。 
 
 ***
 
 結局、〈解錠〉と〈装置無力化〉の価値をどれだけ重視するかなんですね。
 
 誰もが落ち着くのは、人間のローグで始めて《技能の達人》を取ることでしょう。
 あとは技能の多いクラスを踏んでいけば問題解決です。
 
※ 未訳のオプションルールまでOKな環境なら、UAローグでスニークの代わりにファイタフィートを貰えば完璧かと。
 
 う〜〜ん。中衛って、結局何がしたいんでしょうね?
 
 技能枠って、結局要らない子なんだよね。ゲームの構造からも。
 ちょっと、考えてみて欲しい。
 
 * 以下脱線 *
 
 ワナやカギがシナリオの絶対的な分岐を決めるとしたら、それは少なくとも発見されていて、パーティ全体で検討できるタイプじゃないとダメだ。
 なぜって、テーブルトークはみんなで遊ぶゲームだから。
 誰か一人の、たった1回のスキル判定で左右されるとしたら、それはみんなで遊ぶゲームとしては根っこの部分からダメだ。
 
 4版は技能を統合し(=種類を減らし)それを各クラスに分散させた。そして(直接ではないにせよ)全員参加できる技能チャレンジを作った。
 こうやって、3版までの「技能枠いらない子」問題に対処している。
 
『誰か一人の、たった1回のスキル判定』から、
『みんなが参加できる、複数回のスキル判定』へ変えたワケだ。
 
※ ファイタを作ればわかることだが、知力系は不要で魅力系は要がある。そして知力は技能の数に影響しない。
 こうなると、ファイタは〈事情通〉を取る意味がある。余裕もある。そして、システム的にクラス技能として含まれている。
 
 * 脱線終了 *
 
 話を元に戻すと、3版でも(というかテーブルトークとして)
 
『誰か一人の、たった1回のスキル判定に
 左右されすぎるのは、ゲームの構造としてダメ』
 
 これは理解されていた。
 だからワナやカギ、あるいは隠された何かは、ストーリーの重要部分としては使われない。使ったら、失敗したときの被害が大きすぎるからね。
 
 だから、具体的には「より多くのお宝」や「近道」程度の使われ方しかしなかった。
 
※ トーナメントシナリオでさえこの限りではない。
 プレイ自体が「競技」だとしても
『たった1回のスキル判定で結果が
 左右されるのは、競争の構造としてダメ』だからだ。
 
例:1つクリアで10ポイントもらえる障害が10個あるとします。
 11個目の障害のクリアで500ポイント貰えるとしたら、それ以前の障害の価値がなくなります。
 複数の参加者がいて順位を決めるならそれ以前の障害にも意味はありますが、11個目を何とかしない限り、他が全部成功していても意味がないですからね。
 
 回りくどくなりましたが、ワナやカギ、あるいは〈捜索〉に類するような、『技能枠の仕事』ってのは、究極的には無価値なんです。
 価値が大き過ぎると(上の例で言う500ポイントだと)、相対的に他が無意味になりますからね。
 戦闘や魔法に重きを置いた3.5までのD&Dシステムで、技能を大きく取り上げることはできなかった。
※ 影響力を大きくしたら〈交渉〉のように大問題が起こった。
 
 結果的に、シナリオで登場する技能枠の仕事は、いなくても大して困らない部分に落ち着くわけです。
 
 これを端的に表わした言葉が「No Rogue,no problem」です。
「ローグ無しでも問題なし」。むなしいなぁ。
 
 結局、メインの仕事である技能枠が重要でないから、そのほかの仕事に回る事になるんだけど、器用貧乏コース一直線なんだよね。
 
 根本的な方針決定の部分で間違わず、
 なおかつPC構築の技量が高くないとだめ。
 
 そこまでやって出来上がるのは、
・戦力で最下位争い
・メインの技能仕事は本筋から見てわき道
・便利使いされる役回り
 
 ***
 
 これまでに周りで見かけた技能枠の人たちは、
この重く厳しい壁にどのように対応してきたか?
 
・カメレオン
 (上級クラス)を取って『何かおぞましいもの』になる
 
・スキルでぶっちぎりのすごい能力を手に入れる
 (《耳聡い偵察兵》など)
 
・ローグ以外を混ぜてサポート要員の道を歩む
 (位置交換など)
 
・スニークを成立させる
 (成立すれば非常に強力なので)
 
・スカウト+ウォーロックなど、強力なコンボを組む
 (2LVで2d6接触光線)
 
・諦めて前衛になる
 《技能の達人》で〈解錠〉と〈装置無力化〉だけ維持する
 
 スニークが利く事を前提に《二刀流》って方向は、はっきり言ってナシね。
 
※ 技能枠を維持しつつ前に出るのはナシ。という意味。
 ローグを噛んだ前衛、というのは普通にアリ。
 
 HPはウイザードと争う最低クラスで、ACも一定で打ち止め。ローグ作業用アイテム購入で戦闘用品の購入は先送りってクラスなんで、前に出ても無意味に死ぬだけ。
 出入りする(《一撃離脱》する)手もあるけど、それだとスニークは入るかもしれないが《二刀流》の意味がない、フィートで何とかする手はあるが、遠い。
 サイやウイザード混ぜれば早めに盾ACもらえるし、ノームならフィート2つで(一体に)AC+5できるけど、打ち止めを先延ばしにするだけなんだよね。
 
 
 なんか、技能でどうにかする案って1つしか出てないよね。
 じゃぁどうするかっつーと、いつもの結論に達するワケです。
 
 俺にToBを使わせろ(笑)

 
 だってさー、スキルが多くて、特殊能力で戦力維持できるんだぜー。
 しかも、ちゃんとファイターを超えないレベルで。