例えばこんな、冒険者大全コン 02

 
 
 何のかんの言って、やはりキャラを出さないと分かりにくいかなぁ?
 
 でも、前回の挙げたデータの断片で、分かる人にはわかるよね。
 要するに、新しい部分を見せるために、そのように配分しているだけ。
 
 例えば、新規コアクラスには、新規フィートを取らせていません。
 新要素が複数あると、どちらの要素がどのくらい影響したのか分かりにくくなるからです。
 その代わり、長所が目立つような種族を選んだりしているワケですね。
 
 そして、既存のクラスでは、新規フィートや新規呪文を活用するように選んでいます。
 例えば Goad 特技は、魅力ベースですからパラディンとの相性が良いです。
 そして効果もパラディン向けでしょう。何しろ “敵を引き寄せる” 効果ですから。
 そして、この特技は武器破壊やなぎ払いとも相性が良いです。
 
 
 
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 前回を振り返ったところで、今回は、プレイ前準備と、シナリオを妄想します。
 
 
 まずは、プレイ前準備について。
 
 上で挙げたように、クラスの役割と相性の良い新規フィートを取ったとしても、
活用する場が無ければ、キャラが “活躍” することは出来ません。
 
 例えば Goad 特技は、狭い通路で戦っていたら活用できません。
 敵を挑発して誘い出そうとしても、
 他の敵や、あるいは味方が寿司詰めでは、動けないからです。
 
 こんな事にならないように、シナリオを調整しなければなりません。
 
 そしてもう一つ。
 これが最も大事です。
 
 キャラクターは、用意した。
 シナリオも、対応して調節した。
 
 でも、プレイヤーが気付かなかった。
 
 これでは意味がありません。
 では、どうするか?
 
 プレイヤーに、直接教えるのです。
 簡単でしょう?
 
 そもそも、他人の作ったキャラクターを、数分で把握しろという事自体がムチャです。
 無理な事をさせてはいけません。
 
 サイオニクスの時のように、数分でよいから、
 それぞれのキャラの使い方を説明するのです。
 
 正直な話、
「以前上手く行った事を、なぜもう一度やらないのか? 」
 という疑問があります。
 
「資料を用意するヒマ(作業時間)、
 周知するタイミング、それらが無い」
 聞く前から返事は分かっていますが、それでも聞いてみたいです。
 
 
 とにかく、以前のように、プレイ開始前に、説明の時間を取るわけです。
 販売促進イベントとしては、ユーザに少しでも多くの情報を与えるべきなのです。
 
 これが目的なんです!
 ゲームさせればそれで良いというのは、手抜きなんです!!
 
 ほんの数名にしか行き渡らない閉会式のプレゼントより、
 全員に与えられる情報の方が、ユーザにも、HJにも有益なんです!!
 
 ユーザとベンダ、両方にメリットをもたらしましょう。
 
 
 とまぁ、このくらいで、プレイ前準備に付いてはいいでしょう。
 次は、シナリオの組み方ですね。
 
 
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 シナリオの組み方ですが、その前に、キャラクタの活躍させ方についておさらいしましょう。
 
 
 ニンジャは、姿を消して、サドン・ストライクを行います。
 つまり、ある程度広い空間が必要です(狭いと、姿を消しても優位が少ないから)。
 足跡の残らない、音を立てない地面が必要です。
 だから、砂場や、落ち葉だらけの秋の森ではダメなのです。
 
 
 スカウトは、移動攻撃である、スカーミッシュを行います。
 つまり、ある程度広い空間が必要です。
 移動速度が減少しない、普通の地面が必要です。
 だから、雪原や、山腹などの急斜面ではダメなのです。
 
 
 バードは、とにかく歌いまくります。
 歌の回数は8回ですが、新規呪文で勇気鼓舞をブーストできるのは最大4回です。
 ジョイフル・ノイズ呪文の使用も考慮して、ゲーム内時間で2日かけるのが望ましいです。
 隠れ身は専門のローグやニンジャと同等以上ですが、忍び足が苦手です。
 普通の森が舞台だと隠密行動に同行できるでしょう。
 
 
 ローグ・クレリックは、2つの呪文を使います。
 グレイブ・ストライク呪文と、ディヴァイン・インサイト呪文です。
 また、ガイダンス呪文も活用します。
 グレイブ〜 は、アンデット戦闘で活用します。
 ディヴァイン〜 と、ガイダンスは、スキルの再挑戦とブーストに使います。
 ディヴァイン〜は、スキル値に+8もするので、ここぞという時に活躍できます。
 治療のために呪文を使いきってしまうことを考慮して、ゲーム内時間は二日欲しいです。
 
 
 ソーサラーは、2つの呪文を使います。
 フィスト・オブ・ストーン呪文と、レイス・ストライク呪文です。
 今回のキャラは、2LV呪文の回数は僅か4回です。
 だから、この4回を最大限に活用させる必要があります。
 ゲーム内時間で二日掛かるようにシナリオを調整しましょう。
 また、自分ブースト系なので、敵との遭遇距離は遠目の方が良いでしょう。
 
 
 ローグ・レンジャーは手数系ダメージ役です。
 バードの歌でブーストされていれば、命中+8で3回攻撃し、3d8+22にもなります。
 得意な敵と合致すれば更に+6です。
 ニンジャやスカウトと一緒に行動できるので、戦闘も偵察もできる万能選手です。
 
 
 パラディンは、Goad 特技を、武器破壊やなぎ払いと組み合わせて使います。
 つまり、ある程度強い敵か、多目のザコが必要です。
 そして、移動を制限されない、ある程度広い空間が必要です。
 本来なら好き勝手に移動されてしまう場面で、
 Goad 特技のお陰で、敵の行動を制限できるから、便利だと気付くのです。
 
 
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 それぞれのキャラクタが、どのような都合を持っているか、出揃いました。
 
・起伏の少ない、春〜夏の森が良い
・ゲーム内時間で、二日掛けたい
・隠密行動をさせたい
・活躍の場面を複数用意したい
 
 こう言った要求が、各方面から上がってきたわけですね。
 
 要求がいろいろ有るのは、むしろ助かります。
「夕飯なにが良い?」
「何でも良い」
 これのようなもので、何でも良いよりは、何か言ってくれた方が助かるわけですね。
 
 これらの要求をまとめた結果、出てきたシナリオは次のようなものです。
 
 
 謎の戦闘集団が現れた。彼らは森の住人を殺し、植生を荒らしている。
 最初に森のドルイドが暗殺され、対応が遅れてしまった。
 地元、及び近隣のエルフと、やはり地元のハーフリングとノーム、
 そして暗殺されたドルイドと縁の深かったアローナの教会から人員が集められた。
 それが今回のPCたちである。
 
 魔法による事前調査で、以下の事が分かっている。
 
1:敵は3つの集団に分かれている。
  森の中で三角形に配置されていて、それぞれ距離は20マイルほど。
2:ボスは常に移動していて、居場所が特定できない。
3:襲撃を行う間隔は不定で、襲撃のたびに合流・分散しているらしい。
  次の襲撃は、3日後だ(今日が20日だとしたら、23日)。
 
 
 上記の書き方は、普通のシナリオでの記述です。
 これを本音モードで翻訳するとこうなります。
 
1:キャラを活躍させるために、3種類の敵と地形を用意した。
  呪文などの消費を考慮して、2日掛かるようにした。
  距離的に、2ヶ所は回れるが、3ヶ所は厳しい配置。
2:ボス戦は最後に取っておく。
3:時間の余裕と制限を同時に付けた。
 
 
 さて。
 シナリオ的な仕掛けとして、ボスが都合よく現れる理由が薄い。逃げない理由もない。
 よって、PCのニンジャがアクションを起こす事にする。
 ボスはニンジャ3LV、バーバリアン、レンジャー、ファイター各1LVです。
 
 市販シナリオ的記述をするなら、醜悪な容姿が原因で性格が捻じ曲がって云々と続くんでしょうけど、そーゆーのは省略して、シナリオ上の機能だけ挙げるとこんな感じ。
 
 PCのニンジャは、今回のボスの情報を持っている。ぶっちゃけ追い忍だ。
 3ヶ所ある部下の拠点に、PCニンジャが追い忍の痕跡を残す。
 ボスは拠点を定期巡回しているので、追い忍の痕跡を見つけたら、止む無く決戦を覚悟します。
 彼は「逃げ出してもいつかまた見つかる」と判断して、迎え撃とうとします。
 これに付いては、PCニンジャの母集団が魔法その他で性格分析/予測済みとします。
 
 この仕掛けが機能しなかった場合、以下の方法でボスを追い詰めます。
 あくまで妄想なので、シナリオ上のギミックは省略。
 まぁ、巡回パターンとかで漏れる場合もありますよ。日数を区切っていますしね。
 
 3ヶ所ある部下集団の拠点には、それぞれ、アビサル、インフェラル、アンダコモンの暗号書がある。
 これらはボスに連絡をつけるための居場所の計算式だ(日によって変わるので計算するための式)。
 
 この暗号書の解読の成否で、シナリオの展開が変わる。ボスを待ち伏せる事が出来るようになったり、解読に失敗して、3ヶ所とも回る羽目になったりする。
 
 ディヴァイン・インサイトで解読をブーストしたり、ガイダンスで再挑戦の条件を満たしたりすれば、一日に2〜3回はチャレンジできるから、かなり高確率で解読に成功すると思います。
 
 シナリオの難易度を調整するために、暗号を全部集めて出た結果で、もう一度解読というパターンも考えられる。
※ この場合、式で得られるのは、部下のみの集合場所になります。
  集まった部下達がお互いの変数を出し合って、ようやくボスの位置を算出できる。
 
 部下達にお互いをけん制させるか、どこか一派がボスと親密になり過ぎないようにするか、その手の制御ギミックですな。
 
 
 えーっと、ボスの強さとか、どうしましょうかね?
 HJコンは6名が最低ですから、ELは+4じゃなくて+5でいいと思うわけですよ。
 四人で+4、八人で+6、ならば、六名で+5は妥当だと思うのですがいかがでしょうか?
 
 でまぁ、ボス戦闘のELを9(4LV平均+5だから9)とすると、ボスは8LVだから足りない。
 +1をどうするかEL算出式で考えるとこうなります。
 
・6LVを一名追加
・4LVを二名追加
・2LVを四名追加
 
 ん〜〜、2LVを追加しても、PCが強いから、よほどエロイ事をしない限り鎧袖一触なんだよね。
 ウォーロック・スカウトとかでないと論外。
 4LVを二名で、ウイザードとクレリックをつけるのがいいかな?
 
 あー、そういや、部下達の拠点3ヶ所も考えないとね。
 ELは7って感じ。
 
 それぞれ6LVの中ボスがいて、特色を出さないといけないんだよね。
 
A:6LVのウォーロックアニメイトデット打ち放題。
  グレイブストライク活躍と、ソーサラーがゾンビをクリーブしまくり。
  ここのザコは1LVクレリック4名。プロフェン・ブーストでタッチのインフリクト攻勢。
 
B:ババ混ぜオーガのコンビがいて激しい肉弾戦。
  パラディンは挑発(Goad)して、モンクは得意な敵で活躍。
  ここのザコは盾持ち固めHFO4名。ブロード・ショートソードでAC上げる。ウザイ。
 
C:ワナメインの拠点で、ここだけ地下。でも通路幅広い。
  ニンジャとスカウトが活躍。消音ローグもついて行ける。
  4LVのジャベリン投げボス。ここのザコは1LVニンジャ8名。ボスが弱い分多い。
  ジャベリン投げは新フィートです。チョイ強めの特技。
 
 バードの名前が出てこないけど、歌いっぱなしと、暗号の解読で活躍って事で勘弁。
 
 
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 いかがなもんでしょうか。
 
 最後の方が手抜きっぽくなりましたけど、とりあえず概要としては充分なんじゃないかと思います。
 
 マップ作製とか、実作業は色々有るでしょうけれど、実際問題として、これで完成といえますよね。
 
 つーか、あとはもう手を動かすだけで出来上がり。完成形が見えてます。妄想だからこれで終わり。
 
 
 接待プレイはいらないが、フルスペックを出させて欲しい。
 これが、単純な意見なんですよね。
 
 だってさ、クルマ買うのに試乗会行って、時速30キロで5分乗ってお終いじゃ、イヤじゃん。
 3回曲がってお店まで帰ってきましたじゃぁ、何も分からないよ。
 イヤっつーか、本来の目的を、客も店も、かなえてないよね。
 
 最高速度から急ブレーキして、何かにぶつけてエアバッグ作動までさせろとは言わない。
 でも、もうちょっと色々あるじゃん。
 
 だから、例えばこんなHJコンだったら、お客も、お店も満足できないですかね?